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歌う時、呼吸はクチでするの? 鼻でするの?

 人間の呼吸方法には、口呼吸と鼻呼吸の2つがあります。どちらが健康的なのかと言えば、もちろん鼻呼吸です。人間がするべき標準の呼吸法は鼻呼吸であって、口呼吸は推奨されない呼吸なのです。

 なぜ鼻呼吸が良いのか? それは鼻は天然の空気清浄機あって、人は鼻呼吸をする事で、外気を適切に吸い込む事ができるからです。

 鼻は素晴らしい器官です。外気を吸い込む時に(熱すぎず寒すぎずの)適切な温度に調整してくれるし、外気に含まれる異分子(汚れや病原菌)を防いでくれます。

 口呼吸とは、外気を鼻を経由させずに呼吸する事であって、鼻の恩恵無しの呼吸となるために、口呼吸がメインだと、風邪をひきやすくなったり、ノトが乾燥しやすくなったりと、様々なトラブルが発生しがちです。

 とは言え、鼻って、鼻詰まり等のトラブルが起こりやすい器官だし、クチと比べると一回に吸い込める外気の量があまりに少ないという欠点もあり、鼻にトラブルが生じてが使えない時、あるいは短時間で一度に大量の外気を吸いたい時は、人は無意識に口呼吸に切り替えるのだそうです。

 つまり、鼻呼吸がデフォルトの呼吸だけれど、非常時は口呼吸を使うのです。で、口呼吸はあくまでも非常時の呼吸なので、平常時に使用し続けると、あれこれマズイ事が起きる…というわけです。

 そもそも、口呼吸をしている人って、常時クチが半開きなわけで、ちょっと見ではバカにしか見えません。だから、人は無意識にそれを避けようとするわけですが、マスク生活が続き、マスクをしていると口呼吸をして、クチが半開きでも他人に気づかれませんから、口呼吸の人が増えたとかいう話も聞きます。

 閑話休題。声楽初心者のあるあるの質問として「歌う時、呼吸はクチでするの? 鼻でするの?」がありますが、その解答はおのずと決まります。

 不便がなければ、鼻で吸えばいいのですが、それでは間に合わなかったり、苦しかったりするなら、クチで吸えばいいのです。別に意識しなければいけない問題ではないと思います。

 そもそも鼻もクチも両方使えばいいのですよ。実際、私はそんな感じですよ。息は鼻やクチで吸うのではなく、横隔膜で吸い込むわけですから、その時に鼻への通路が開いていれば鼻から吸い込むし、クチへの通路が開いていればクチから吸い込むし、同様に、鼻へもクチへも両方への通路が開いていれば、自然と両方から息が入ってくるわけです。

 吸うのは、鼻でもクチでも良いのですが、吐き出すのは…当然、クチがメインになります。クチから息を吐き出さなければ構音できませんからね。

 そんなわけで「歌う時、呼吸はクチでするの? 鼻でするの?」という問いに対する答えは「ラクな方で吸えばいいし、可能なら両方使えば?」となります。

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