スポンサーリンク

日本語字幕付きオペラDVDについて

 オペラは生の舞台を見るのが一番良いのですが、日本に、特に地方に住んでいると、なかなか生の舞台を見ることはできませんし、日本に住んでいると、いわゆる一流スター歌手の皆さんのパフォーマンスもなかなか見ることはできません。
 そこでお世話になるのが、メトやロイヤル・オペラ等のライブビューイング(映画館上映)だったりするのですが、これだって上映する映画館に通えるという条件が必要で、本当の地方に住んでいる人には、ハードル高いです。
 そうなると…テレビ放送ですか? NHKのBS放送とか、WOWOWで、これらのライブビューイングを始め、世界各地の歌劇場の公演を中継していますので、それを見る…でしょうか? 私も昔は結構見ていましたし、エアチェックをしてVHSビデオにたくさん録画したものです。
 ただ、放送はオンデマンドではありませんので、見たい演目をやってくれるわけじゃないんですよね。「カルメン」が見たいと思っていても「カルメン」の放送をしてくれるわけじゃないです。ちょっと不便です。
 YouTube? 確かにYouTubeにはオペラ動画は多数アップされていますが、YouTubeの動画には、たいてい日本語字幕が付いていないのです。
 そう、オペラの場合、日本語字幕がネックになるんですよね。日本語字幕の無いオペラの鑑賞は、その人の語学力にも寄りますが、厳しいです。よく知っているオペラならともかく(その場合は字幕が必要ないかもしれません)、日本語字幕はあった方が良いと思います。いや、日本語字幕は必ず必要です。
 同じ理由で、オペラのDVDというのがあるのですが、ちょっと前まで、基本的には、安い輸入盤には日本語字幕が付いていないので、なかなか値段が張る国内盤(国内メーカーが販売しているディスク)を購入するしかありませんでした。国内盤なら必ず日本語字幕が付いていますからね。
 いやあ、ほんと、今考えると、あの頃の国内盤のDVDって、目玉が飛び出すくらいに高価だったのよ。でも、昔は選択肢がこれしかなかったので、仕方なかったのです。それにしても、オペラDVD高かったです。90年代のメトで行った、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」をセットで購入した時は、清水の舞台から飛び降りる思いでしたもの(でも、購入して後悔してません。今でも私の宝物です)。
 まあ、高くても、毎月のように新譜が発売されていた昭和~平成の前期くらいまでは、資金さえあれば良かったのです。やがて、だんだん新譜の販売が滞るようになり、やがてめっきりオペラDVDの新譜発売が無くなってしまいました。
 高くても発売してくれれば買えます。でも、売ってくれなければ買えません。
 今では、日本国内で手に入るオペラDVDは、基本的にあの頃のDVDの再発売モノばかりです。新譜なんてめったに発売してくれないんです。時代的に言えば、せいぜいが3大テノールの時代までの舞台で、画質的にはいわゆる“標準画質”で収録されているものばかりです。ちなみに標準画質というのは、アナログ式ブラウン管テレビで表示していた画質の事ね。つまり、昔のテレビの画質程度って話です。今のハイビジョンテレビを見慣れた目で見ると、ボケボケなんです。そんな程度の画質で、いつもの決まりきった演目を、いつものおなじみな歌手たちが歌っているDVDしか発売されていないのです。
 つまり、日本のオペラDVDは、完全に懐古主義の年寄り向けの商売になってしまったわけです。ああ、残念。もはや、日本のオペラファンはDVDで新鮮なオペラを楽しめなくなったのでしょうか?
 実は違います。日本のレコード会社(?)がオペラの新譜を出さなくなったあたりから、ボツボツと一部の輸入DVDに日本語字幕が付くようになりました。つまり、高価な国内盤は販売されなくなったけれど、安価な輸入盤が買えるようになったのです。
 問題は、輸入盤は町のレコード屋では取り扱っていないので、アマゾンなどの通販が利用できる人でないと買えない事。まだまだ日本語字幕の付いていないDVDの方が多いので、日本語字幕付きのDVDを探して購入しないといけない事。いわゆるスター歌手が出演しているディスクだと、まだまだ日本語字幕が付いていないのが多いので、その点は諦めないといけない事…ぐらいでしょうね。
 その代わりに、国内盤よりも断然安価ですし、かなり珍しい演目の公演もありますし、日本では全然有名ではない歌手の名歌唱と出会うことも増えてきました。スター歌手ばかりが一流の歌手ってわけじゃないって話です。
 最近の若い歌手は、平均点がとても高くて、オペラを見ていても驚かされます。歌が上手いのは当然として、体格もスリムな方が多いし、全体的に美女やイケメンが多いし、演技力に関しては、本職の俳優女優レベルの人も大勢いるし、なんかすごい事になっています。そんな中、ヨハン・ボータとかデボラ・ヴォイトの舞台を見ると、なんか安心してしまいます(でもボータは若死にしちゃったし、ヴォイトはダイエットしてやせてしまったけれど…ね)。
 おまけに最近の収録が多いので、基本的にはハイビジョン以上の画質です。画質が良いと、それだけで嬉しくなります。
 というわけで、最近は、安い輸入盤を見つけたら、日本語字幕が付いていないかどうかを確認する日々だったりします。これが案外、楽しいのよ。特に、日本語字幕が付いているとは書かれていないディスクに日本語字幕が付いていたら…そりゃあまあ、お宝を発見したような気分にもなります(日本語字幕付きという情報で、実は日本語が無い場合もあり、そんな時は勉強をさせてもらったと思うだけです)。

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。

にほんブログ村 音楽ブログ 大人の音楽活動へ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました