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“都”と“府”の違い

 大阪で選挙があるたびに話題になるのが“大阪都構想”です。大阪府を大阪都にしましょうって話で、湘南に住んでいる私には、全然ピンと来ない話題で、全く興味のない話です。なので、今まで“大阪都”に関して、興味関心なんて持っていなかったです。

 なので、言葉ヅラだけ捉えて「“大阪都”? 天皇陛下もいらっしゃらないのに“都”ってのは変じゃない?」程度の認識でした。

 でも、いつまでも無知ではいけないので“都”と“府”の違いから、門外漢にも理解できる程度に“大阪都構想”について調べてみました。

 現在、大阪は、大阪府と大阪市の2つあります。この2つは、名前は似ていても、全然イコールではありません。神奈川県と横浜市程度の違いがあるわけです。

 まず、大阪府は都道府県の一つです。大阪市は政令指定都市で、機能的には県とほぼ同じ扱いです。つまり、大阪府と大阪市は、同じ場所にあって、行政的には同格であり、ライバルであり、大阪は、府と市の二極体制と言えなくもないわけで、この2つの行政の方向性が同じなら問題はないでしょうが、異なる場合も当然あるわけです。地方自治ですから、府の見据える行政と市の見据える行政が違うのは、ある意味、当たり前です。

 そこで大阪府を大阪都にしてしまうと、大阪市がなくなり、東京同様の特別区となって、旧大阪市だった地域は、直接大阪都が治めるようになります。そうなれば、旧大阪市が持っていた行政的な権限は、すべて大阪都に移行され、二重行政が解消され、二極体制も解消されるでしょう。すっきりした地方行政が行えるというわけです。

 移行されるのは、行政的な権限だけでなく、税収も移行されます。大阪市の税収って、年間約2200億円だそうですが、それが大阪都に入るようになります。これだけの税収を、もちろん大阪都は旧大阪市民のためにも使うでしょうが、当然、大阪都全域とか、旧大阪市以外の大阪都の地域にばら撒く事もあります。旧大阪市以外の地域の人たちにとっては、良い事かもしれませんが、旧大阪市民にとっては、これはどうなんでしょうね?

 旧大阪市は特別区となり、それぞれに区長を選出する事になります。地域が小さくなる分、より地域住民の声が政治に反映しやすくなるし、行政そのものも行いやすくなるでしょう。しかし、今までは大阪市が一括して行っていた事を、それぞれの区ごとに行うわけで、行政コストは、当然、以前よりも掛かるようになります。税収は都に持っていかれた上、行政コストが掛かるようになれば、旧大阪市民の方々には、特段のメリットは無いように思われます。

 つまり、大阪都構想とは、大阪府による大阪市の解体が目的であり、大阪市民以外の大阪府民のための政治と言えなくもないです。

 それにしても、日本第二の都市(人口の多さの話です。ちなみに第一位は横浜です)
である大阪市を弱体化させて、良い事なんて、あるのかな?

 横浜市を抱える神奈川県には、神奈川都構想なんて無いよ。でも都構想を考えるなら、3つの政令指定都市(横浜、川崎、相模原。これだけで神奈川県の人口の2/3なんだよ)を抱える神奈川県こそが、都になるべきだと思います。でないと、これら3市以外の地域が、あれこれキツイんだってば…。それでも、神奈川県には都構想はないんです。

 それにサ、大阪にある政令指定都市は大阪だけではなく、大阪市の隣町である堺市だって政令指定都市ですよ。大阪都になって、大阪府と大阪市の二極体制は解消されても、大阪府と堺市の二極体制は、それでは解決できません。ここはどうするんだろ。これを解決するには、堺市も大阪市同様に特別区にして、大阪都の直轄地にするしかないよね。実際、東京都には政令指定都市はないものね。でも、それでいいのかな? 堺市民からは文句が出ないかな?

 私が大阪市民、または堺市民なら、大阪都構想には反対するけれど、別に私は大阪関係者じゃないので、どうでもいいです。大阪都にしたけりゃすればいいのさ。でも、大阪府を大阪都にしても、政治家レベル、行政府レベルはともかく、住民レベルではあまりメリットはなさそうじゃん。

 メリットはないけれど、東京同様の“都”になる事に価値を見出しているのかな? だとすると、それってかなり“めんどうくさい”話になります。つまり“コンプレックスの解消”が目的? それほど大阪の人って、東京に対してコンプレックスを持っているわけ? まさかね…。

 別に幸せならいいじゃん、暮らしやすければいいじゃん、東京と肩なんか並べなくったって、みんな大阪が都会だって事は知っているんだし、なにも“都”にこだわらなくてもいいじゃん。もっと、オトナになって、実利を取る方を選んだ方がいいよって、オジサンは考えます。

 

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