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老人ホームに入りたくない

  老人ホームには入りたくない私です。もちろん、私がヨイヨイのヨボヨボのジジイになってからの話です。別に老人ホームに足を踏み入れたくないとか、慰問に行きたくないとかいう類の話ではありません。あくまでも、老人ホームに入居して生活したくない…という事です。

 なんて事を言いながら、自分がどれだけ老人ホームの事について知っているかと言うと、実はそんなにたくさんの事は知りませんが、それでも大雑把にアレコレと知っています。その大雑把な知識で考えても、老人ホームには入りたくないと思ってます。

 老人ホームと言っても、色々あるわけですが、私がここで言っているのは、いわゆる“介護付き有料老人ホーム”って奴ね。だって、元気でピンピンしているうちはもちろん、多少不便があっても介護してくれる人がいるなら、自宅で暮らしたいじゃん。

 なので、老人ホームに入りくないと言うのは、あくまでも、私が要介護者となり、その介護の面倒を見てくれる人もいなくなった場合の話です。

 そうは言っても、介護が必要となり、自分ひとりでは自分の面倒も見れなくなり、介護の必要が生じてきたら、あまり贅沢な事は言ってられません。別に有り余る財産があって使用人を雇えるわけでもないし、21世紀の核家族の時代となり、子どもが親の老後の面倒を見るという習慣が廃れてしまった現在、息子に頼るのも良くないし、都会じゃあ地域にも頼れないし…。そうなると、不便や不満があっても、公的な老人ホームに入居するしかないのは、理性では分かってます。さもなきゃ、自殺するしかないもんね(だから日本は、世界でも有数の自殺者が多い国なんだよね…と言うのは言い過ぎか?)。

 それでも、なるべくなら、老人ホームには入りたくないなあ…。できれば、ヨイヨイになっても自宅で暮らして、本当にいよいよになったら短期間だけ入院して、妻に看取られながら死にたいのよ。つまりは『ピンピンコロリ』ね。それが私の願い。

 でもね、世の中どう転ぶか分からないからね。妻が私よりも元気で長生きしてくれる保障はないし、私だって、さっさとボケて、家族では面倒見切れない厄介なジジイになっている可能性だってあるわけだし、そうなれば介護付き有料老人ホームに暮らすようになっても仕方ないけれど、それでもやっぱりイヤだなあ。

 なぜかと言うと…私の事だから、きっと年を取っても、ボケてしまっても、カラダが動かなくなっても“歌う人”のままだと思うからです。フルートは、さすがに老いてカラダが動かなくなると吹けなくなるかもしれないし、だいたいボケてしまったら、フルートは吹けないでしょう(笑)し、自分が笛吹きであった事も忘れてしまうかもしれません。でも、カラダは動かなくても歌は歌えるし、ボケてしまっても歌えるからね。いや、生きて息をしている限りは、私のことだから、歌い続けるだろうし、ボケたら声量のコントロールが出来なくなって、四六時中大声で歌う迷惑ジジイになりかねないなあ。

 そんな、大声で騒ぐボケ老人って、老人ホームに入って幸せになれると思う? 老人ホームって集団生活だから、基本的に大騒ぎする人間はダメでしょ? そうなると、老人ホームに入ったら、ボケていてもボケていなくても、歌を辞めざるを得ないでしょう。でも、歌わない人生なんて、私にはありえないから、すごくストレスが溜まって、きっとイヤなジジイになると思うんだよね。暴れちゃうかもしれない。ホームの問題ジジイになるかもしれない。

 それって、私も周りの人々も不幸になるわな。

 でも「自由に歌っていいですよ」なんて言う老人ホームは…たぶんない。

 おそらく念入りに探せば、老人ホーム内に合唱部があったり、唱歌を歌うようなサークルがあるようなホームだってあるかもしれない。そこに入居して、そこで歌えばいいじゃん…って言われるかもしれないけれど、私、合唱できないから(笑)。老人ホームの合唱部で歌っている人たち100人合わせたって、私の方が声大きいから、老人の合唱部になんて入ったら、絶対に合唱をぶち壊すからねえ。だから私は合唱部には入れません。合唱だと、ほんと、ストレスが溜まるからね。同様の理由で唱歌のサークルも無理だろうなあ…。

 それに部活やサークルがあったとしても、自由に歌えて練習できなきゃ、意味無いじゃん。

 だから、死ぬまで自宅がいいのです。自宅なら、大声で歌う事ができるからね。そんな恵まれた環境なんて、老人ホームにあるわけないもの。だから、私は死ぬまで歌い続けたいので、老人ホームには入りたくないのです。

 ま、わがままな理由なんだけれど、本人的には切実な話なんですよ。

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コメント

  1. とも より:

    それは考えなかったです。

    私は「意識不明になった時に、合唱の曲を流したらリズムを取る、涙を流す、目が覚める」とか、ロマンチックなことを考えたことはあります。

    私の声も大きいし、日本の歌は全く知らないし、すとんさんと同じように周りに迷惑かけまくるでしょうね。

  2. すとん より:

    ともさん

     意識不明になった時…かあ。私の場合は、テノールのオペラアリアが良いかも。それもHi-Cのある曲なんかだと、Hi-Cが出てきた途端に、起き上がるかも(笑)。いや、マジで。

     日本の歌は、今はまだレパートリーにはないけれど、やがて人として枯れてきたら、取り組んでみようとは思ってます。

     今思う事は、辞世の句とは全然違いますが、死の床で最後に私が歌う曲は、一体なんでしょうね? 自分でも楽しみです。

  3. tetsu より:

    こんばんは。

    > 老人ホームに入りたくない
    >“介護付き有料老人ホーム”って奴ね。

    こちらは父が急に一人で電車に乗れなくなったり自転車で徘徊して行方不明になってパトカーでなんとか無事に帰ってきたりとか急に悪化しました。
    介護認定も先日初めて役所から来てもらったばかりです。
    でも母と話していると、今までみとってきた方の話では、子供が何人いても老人ホームのようなところに入ると寂しがって家に帰りたいと言い出したり、ガンは末期になるまで放ったらかし、とかいろいろあったようです。
    こちらは自宅とか車の移動で使える介護サービスを使えるところまで使って、今までと変わらないような生活を続けられたらとおもいます。
    死ぬまでは生きているわけで、生きている時間は自分だけですべてコントロールできなくて誰かに依存するとしても大切にしたいです。

  4. すとん より:

    tetsuさん

     おそらく、ボケてもボケなくても、集団生活が平気な人は、老人ホームでもうまくやれるんだろうし、集団生活が苦手な人は、難しいんだと思います。

     音楽ができるできないもそうだけれど、私は基本、オタクなので、家大好き人間なので、そういった点でも老人ホームには向いていないかもしれません。それに、最後は家族なんだろうなあって思います。寂しかったり、辛かったりするなら、やはり家族のそばがいいですからね。逆に言うと、家族と一緒に老人ホームに入れたら、それはそれで楽しいのかもしれません。

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