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「流白浪燦星」と「唐茄子屋 不思議国之若旦那」を見ました

 年始年末進行で、うっかり書き忘れていましたが、年が明けてから、「流白浪燦星」と「唐茄子屋 不思議国之若旦那」を見ました。両方とも歌舞伎です。

 もちろん、生の舞台を見てきたわけではありません(そうなら良かったのですが)。「流白浪燦星」は配信で「唐茄子屋 不思議国之若旦那」は映画館で見てきました。

 読み方が難しい? そうですね。「流白浪燦星」は「ルパン三世」と読みます。「唐茄子屋 不思議国之若旦那」は「とうなすや ふしぎの国の若旦那」と読みます。両方とも新作歌舞伎です。

 まずは「流白浪燦星」から。

 こちらは「ルパン三世」を歌舞伎化したもので、新橋演舞場で2023年12月に上演していたものを期間限定配信で見ました。

 気になる配役は、以下の通りです。

 ルパン三世:片岡 愛之助
 石川五ェ門:尾上 松也
 次元大介:市川 笑三郎
 峰不二子:市川 笑也
 銭形警部:市川 中車

 時代設定を現代ではなく、室町時代…つまり、現実の石川五エ門が活躍した時代にしてあるので、まあ歌舞伎とは親和性が高いです。物語的には、当然、あっちこっち無理があるわけですが、そんな無理も含めて楽しんだ人の勝ちです。一応、歌舞伎のベースとして「白浪五人男」があるようです。

 ルパンの愛之助がアニメのルパンに寄せていて、なかなかに熱演でしたし、銭形警部の中車が見事に役にはまっていたのも良かったです。松也の五ェ門はかっこよかったです。次元と不二子は…まあ歌舞伎向きのキャラではない…って事でご勘弁をってところでしょうか?

 本当は、新橋に行って生の舞台を見たかったのですが、それが叶わず諦めていたので、配信があると聞いた時は、妙に嬉しかったものてす。

 次は「唐茄子屋 不思議国之若旦那」です。

 これは2024年1月のシネマ歌舞伎なので、全国の映画館で見られました。

 こちらも新作歌舞伎で、2022年、つまりコロナ禍の時に、浅草で行われた平成中村座の公演を映画化した作品でした。

 中村座ですから、勘九郎と七之助の兄弟と、その息子たちの勘太郎と長三郎が子役で出演し、ゲスト役者として獅童や亀蔵、弥十郎等の人気役者に、脚本家の宮藤官九郎系の俳優として荒川良々が出演していました。

 お話は、普通に人情モノです。面白かったです。それに演出が現代的ですから、結構あれこれメタ的な発言やアドリブ(?)もあって、これなら普段歌舞伎とは縁のない人であっても、普通に楽しめるお芝居に仕上がっていました。

 「流白浪燦星」がコアなルパン三世ファン向けの歌舞伎であるなら「唐茄子屋 不思議国之若旦那」は歌舞伎の初心者入門者向けのモノであろうと思われます。そういう意味で「流白浪燦星」は期間限定配信で良いし「唐茄子屋 不思議国之若旦那」はシネマ歌舞伎で良かったと思いました。

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