先日、横浜のみなとみらいホール(小ホール)で行われた、opera SYNK によるオッフェンバック作曲の「天国と地獄」を見てきました。スタッフとキャストは以下の通りです。
指揮:諸遊耕史
演出:大野光彦
ピアノ演奏:宮崎香織
ヴァイオリン演奏:村岸あすみオルフェオ: 新海康仁(テノール)
ユリディス:沖山周子(ソプラノ)
世論:竹内恵子(メゾソプラノ)
ジュピター:伊藤和広(バリトン)
プルート:片寄純也(テノール)
バッカス:吉原裕作(バリトン)
キューピッド:河野陽子(ソプラノ)
日本語上演で、たぶん、面白かったよ(笑)。「たぶん」と書いたのは、日本語上演だったので字幕が無くて、一部のソプラノさんたちの言葉が全く聞こえなかったからです。
聞こえなかったのは“言葉”であって“声”じゃありません。声は十分すぎるほど聞こえます。でも、言葉は全く聞こえません。何かフニャフニャ言っているのは分かりますが、それを日本語として認知&理解できなかったのです。男声歌手や低音女性歌手、また他の一部のソプラノ歌手の言葉はきちんと聞き取れて理解できて楽しめたのに、一部のソプラノさんの言葉だけが、フニャフニャして何を言っているか、全く分からなかったので、ストーリーの勘所が全くつかめなかったのです。
なんか、鳥のさえずりを聞いているような気分でした。
たぶん、気の利いたセリフを言っているのだろうけれど、何を言っているのか分からなければ、オペレッタを楽しむ事ができません。
日本語上演だったけれど、日本語字幕が欲しかったなあ…。
実はこういう事って、初めてではなく、日本語上演オペラだと、ソプラノさんの声は聞こえても言葉が聞こえない…という事は、たびたびあります。きちんと言葉も伝えることができるソプラノさんもたくさんいるなか、一部の主役級ソプラノさんは、言葉を軽視しているのか、本当に何を言っているのか分かりません。
そんな事、ミュージカルではありえないのに、オペラではたびたび発生します。こんな有様ですから、日本のオペラ歌手のレベルの低さが分かるというモノです。
一番不満に感じたことを真っ先に書きました。いや、書かずにはいられませんでした。
それ以外の事を書くと…舞台は大道具はほぼ無しだし、プロジェクション・マッピングも無しだったけれど、それを何とか工夫してお芝居を成立させていました、演出の勝利だね。
(この段落、ネタバレ含みます) 演出の勝利と言えば、時代と背景も現代の横浜にしていて、面白かったです。オルフェオとユリディスの夫婦の会話がLINE経由だったり、ジュピターがハエに変身するのは原作通りだけれど、それをジュピターの「横浜流星に変身させてくれ」という願いを、キュービッドが「確か、横浜銀蝿に変身したいと言ってたよね」とボケてハエにしちゃうセンスはピカイチだなって思いました。最後の最後で加トちゃん(?)が登場してオトすのもサスガだなって思いました。
ほんと、演出の勝利です。大好きです、このオペレッタ。全般的なお笑いのネタが、昭和世代向けで、私は大いに楽しみました。
児童合唱団や児童バレエ団も参加していて、なんとも賑やかなオペレッタでした。フレンチ・カンカンも健全なダンスになってました(笑)。ただ、会場となった、みなとみらいホールの小ホールは、オペラには不向きな会場だと思いました。というのも、舞台が低いので、平土間(我々は平土間でした)に座っていると、演者の腰から、前の座席の人影で、舞台の下の方が見えないので、せっかくのバレエやダンスがほぼ見えないし、児童が多く出演しているバレエシーンなんて、腰どころか、全身が見えなかったりして…会場さえ、普通のオペラや演劇向けのホールだったら、その可愛らしい姿も楽しめたのになあ…と思いました。ほんと、残念。
それより何より、一番驚いたのは、私の知り合いのテノールさん(もちろんアマチュア歌手)が役付きで出演していた事です。いやあ、出ているなら事前に教えてよ~。まあ、役は付いていたけれど、ソロもセリフもなかった(歌っていたのは合唱部分だけな)のは、御愛嬌だったけれど、アマチュアの身分でプロの公演に出演しちゃうというのも、実になかなかの快挙だね、私には真似できません。
そんなわけで、結局、なんだかんだと文句を言いつつも、たっぷりと楽しんだ私だったのでした。
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