いくらコロナが流行っても、日本は諸外国と異なり、ロックアウトはできません。あくまでもステイホームを要請するだけです。あっちこっちでクラスターが発生しても、外出自粛をお願いするだけで、人々は自由に移動できます。外国から人がやって来ることを拒む事はできません。さすがに特定地域(最近だとインドとかパキスタンとか)からの入国拒否はしますが、一般のビジネスマン相手だとせいぜい自主隔離をお願いするくらいですが、あくまでも自主隔離なのでしなくても平気です。実際に、300人/週ぐらいの人が、自主隔離なんてしていないそうですし…。
とにかく、日本では、コロナ禍の対策については、行政は口先ばかりで実際の活動が全然伴っていないのが実態です。
それはつまり、日本の政治家や役人たちが怠慢だから…ではないでしょう。いや、むしろ真摯に対応しているから、何もできないのかもしれません。
と言うのも、日本は法治国家です。法に従って国が治められているわけなんだけれど、法に従えば従うほど、コロナは野放しにならざるをえません。
と言うのも、現在の日本国憲法が欠陥憲法だからなのです。
例えば、インドからの入国拒否にしても、拒否しているのは、旅行者、ビジネスマン、日本定住者、日本人の配偶者等の、外人さんたちを拒否しているのであって、例えばインドに暮らしている日本人の里帰りなどは拒否できません。
なぜでしょうか? それは相手が日本人だからです。日本国憲法第十一条では…
>第十一条
国民は、すべての基本的人権の享有(きょうゆう)を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
…となっており、そのため「(日本人の)個人の私権を制限してはいけない」のです。
この憲法第十一条はとても大切ですが、これしか無いのです。簡単に言うと、日本国憲法には「人権の保障」だけがあって、それと対になる「国家緊急権」がないのです。
多くの国の憲法には、当たり前の話ですが、国家緊急権が明記されています。昔の憲法(大日本帝国憲法)にもありました。でも、今の日本国憲法にはありません。なぜでしょう?
国家緊急権というのは、Wikipediaによれば、以下の通りです。
>国家緊急権(こっかきんきゅうけん)とは、戦争・災害・疫病など国家の平和・独立・公衆衛生を脅かす緊急事態に際して、平常の統治秩序では対応できない際に、憲法秩序を一時停止し、一部の機関に大幅な権限を与える非常措置をとることによって秩序の回復を図る権限のことをいう。
つまり「平時は基本的人権を尊重するけれど、緊急時は超法規的処置を取るかもしれないよ」って事で、一人ひとりの人権は大切だけれど、みんなの命や健康を守るために、時には個人の人権に優先しなきゃいけない事があるから、そういう時は国の指示に従ってね…という、当たり前の事ができないのです。それが今のていたらくの原因の1つになっています。
この国家緊急権がない日本国憲法ってのは“頭の中がお花畑”なのです。今日も明日もいつもいつまでも平和で安全な社会が続くと考えている、人間社会がいつまでも平和でゆるふわだと思ってなきゃやってられない憲法なのです。ちっとも現実を見ていない、現実に即応していない欠陥憲法なのです。。
現実は、もっとハードモードよ。
何しろ、今の憲法って、1947年に発布されたまま、何ら改正される事なく今に至っている、古臭い憲法なわけです。当時の日本はアメリカによる占領下にあったわけで、だから日本の国力を削ぐような、ゆるふわな憲法を押し付けられちゃったのかもしれないし、それが当時の日本人の気分とも合致していた事は、想像に難くありません。
しかし、74年前と今とでは、社会状況や人々のライフスタイルなんて全然違うわけです。昔は良かった憲法だって、今じゃ古臭くて使い物にならなくなっても当然なのです。実際、他所の国では、憲法改正なんて、5~10年くらいの間隔で普通に行われているわけです。憲法だって法律だから、アップデートが当たり前なんです。なのになんで日本だけが、未だに古臭い憲法を使い続けなきゃいけないのか、私は全く理解できません。日本人だって、いつまでもお花畑じゃないし、ゆるふわでもないんだよ。
「アベが~」とか「スガ~」とか言っている余裕があるなら、法治国家である日本の、憲法を含んだ法整備について、きちんと考えなきゃいけないんだと思います。
ほんともう、こんなに困っているのに憲法改正しないなんて、おかしいよね。
誰が憲法改正を邪魔をしているんだ…って、分かりきった話だね。ほんと、そういう人たちのおかげで、我々の生活が不安になり、命が危険にさらされているわけだよ。ある意味、憲法改正反対論者たちがコロナを使って人々を殺している…とも言えないわけじゃないのです。ああ、困った困った。
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