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歌舞伎と宝塚に共通する不自然さ

 それは異性の役を演じるという不自然さです。歌舞伎では女形と言って、男性俳優が女性の役を演じます。一方、宝塚歌劇団では男役と言って、女優が男性の役を演じます。当然、両方とも、いわゆるラブシーンは同性の役者同士で演じられます。
 これがねえ、下手な役者が演じていると、とても気持ち悪いんだよね。
 歌舞伎の女形にせよ、宝塚の男役にせよ、登場シーンでは違和感があったとしても、やがてその演技力に魅せられ、演じている役者の本来の性別など気にせずに観劇できる時もあるけれど、あまり上手ではない役者が演じていたり、容姿に難がありすぎて、芝居に没入できない時は、不自然さ…あるいは不気味さばかりが目について、観劇どころの騒ぎではなくなります。
 どうも私は、女形とか男役とかを、文化としては受け入れられないようです。
 宝塚の場合、主役をやるような男役さんは割と平気なのだけれど、脇役の男役さんの中には、どうみても若い女の子にしか見えない人が舞台にいたりします。そんな若い女の子が男装して髭はやしても、男性には全然見えないんだよね。そういう人って、動作がキャピキャピしていて、いかにも女の子の動作だったりするんだよね。男の動作をするための筋力が不足しているんじゃないかしら?
 歌舞伎の場合も、ヒロイン役を演じるような女形さんは割と平気なのだけれど、モブとして出てくる女形さんたちは、もう単純に容姿で受け入れられません。いくら派手な衣装を着て、白塗りをしても、顔がオジサンだから、もうその段階で私的にダメです。まあ、女形の全員が美人にならなきゃダメとは言いません。でも、せめてオバサンに擬態しようよ。顔の骨格がオッサンなんだから、もっとメイクを頑張ろうよ。
 もっとも歌舞伎の場合は、DVD等の映像ではなく、生の舞台で見ると、女形の不自然さはあまり感じられません。そもそも遠目で見る前提で演じられているわけだから、昨今のハイビジョンやら4Kやら8Kやらが残酷なのかもしれません。宝塚も生の舞台で見れば…って、宝塚を生で見る勇気は私にはないなあ(残念)。
 実は、歌舞伎にせよ宝塚にせよ、女形や男役で、最も不自然に感じるのは、私の場合、声なんです。いくら頑張ったって、女形の声は女声ではないし、男役の声は男声ではありません。もうこれは仕方がない。この点に関しては、いくら頑張っても、ホルモンの違いがあるから、どうにもならない。なので、私は声に関しては、目をつぶる事にしています。
 声って、とても性差が現れるんだと思います。
 で、声に関して目をつぶっているうちに、やがて慣れてきます(笑)。ああ、この世界での女性/男性は、こんな声をしているんだと自然と感じられるようになります。で、声には慣れるのだけれど、動作や容姿には慣れない…ってわけです。
 この手の不自然を含めて、歌舞伎や宝塚を受け入れられるようになると、ご贔屓さんって呼ばれるようになるんだろうけれど…私はまだまだ無理だなあ。

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