翌朝は６時にすっきり起きました。とても良く眠れました。どうも布団が違うみたいです。なんでも、ここのホテルの敷布団は、西川のAIRという、点で支えるタイプのマットレスなのです。これ、いいね。ほんと、いいね。自宅用に買っちゃおうかしら？
７時には朝食を食べました。朝食もバイキングでしたが、いやあ、まるで夕食ではないかと思うほどに、豪勢な食事でした。朝から贅沢な気分です。
この日の天気は曇天で、気温は１日中25度前後という涼しい陽気でした。
９時にはホテルを出発して宮古駅に行きました。ここから南に向かって、三陸鉄道に乗るのです。
三陸鉄道…あの、朝ドラ「あまちゃん」の北三陸鉄道のモデルとなった鉄道です。もっとも、ドラマの舞台になったのは、久慈駅を中心とする路線の北側部分なので、全体の中間地点にある宮古から南に向かう私達が乗った鉄道は、厳密に言うと、ドラマとは違うわけですが…まあ、細かい事は気にしない（笑）。
三陸鉄道には宮古から浪板海岸まで、約１時間ほど乗りました。ほぼ、緑の山の中を走るだけで、なんの見どころもない電車でした（ごめん）。添乗員さん曰く「三陸鉄道に乗車する事は復興の助けになる」そうです。まあ、三陸鉄道って赤字らしいしね（2023年度で7.1億円の赤字決算なのだそうです）。
ちなみにこの区間の一部は、現在、先頃の台風５号の影響で運休となりバスによる代行輸送となっています。私は、その運休になる前の貴重な時期に三陸鉄道に乗れたわけです。ある意味、ラッキー。
さて、浪板海岸は無人駅でしたが、東日本大震災の碑が立っていました。このツアー、ここから先は、震災の被災地を通っていくのだそうです。
浪板海岸から釜石を経由して大船渡に行きます。途中、道路のところどころで「津波浸水区間 ここから/ここまで」を見かけました。これは、津波の被害を受けた地域を示しています。津波の被害を受けた地域は、まるで新興住宅地のようで、何もない場所に、ぼつんぼつんと新しい建物が立ち並んでいます。以前あった建物は、みな流されてしまったんだそうです。津波の被害のあった場所は、現在、人は住んではいけないそうです。ですから、新しく建った建物はお店とか会社とかの建物なのです。では住居は？と言うと…人々は、山を削って、新しく住宅地を作り、そちらに移住したのだそうです。そして、山を削って、出てきた土砂を、こちらの低地に持ってきて、盛り土をして、その高くなったところに道路を作ったり、建物を建てたりしているのだそうです。
すごい手間暇と経費と労力がかかっています。街を復興するって、こんなに大変なんだな。
海に近い場所には、巨大な防壁のような防波堤が立ち並んでいます。まるで“進撃の巨人”で巨人の侵入を防ぐ壁のようにそそり立っています。景観を全く損ねていますが、安全や人命には変えられません。
途中、三陸鉄道の終点の盛駅の前を通りました。かつては、この盛駅から気仙沼まで、ＪＲ大船渡線という鉄道が走っていたそうだけれど、大震災の際の被害が大きすぎて、復旧の見込みが立たないという事で廃線となり、かつて線路だったところは舗装されて道となり、かつて駅だったところにはバス停が作られて、今は電車ではなく、バス（ＢＲＴ）が走っているのだそうです。電車がバスに変わったところで、現実的な支障はないのでしょうが、心理的には鉄道って…特別ですね。そう思うと、何とも切ない話です。
土地の人に言わせると、鉄道の駅があれば、そこに人が集まって街ができるけれど、バス停には人が集まらないし、街もできなくて、その地区はどんどん寂れていく…のだそうです。それほど、駅とバス停では地域に与える影響が違うらしいのです。
大船渡で昼食を食べました。このあたりから小雨が降り始めました。
昼食は、海鮮丼です。活きあわびが入っています。ウニョウニョ動いているあわびを貝から剥がして醤油をつけて食べます。始めての食感ですが…何とも硬いです。よく言うと「コリコリしている」、正直に言うと「ゴムをかじっているみたい」です。活きあわびを食べるなんて、貴重な体験をしている事には間違いないわけだけれど、美味いかどうかと聞かれると…好き好きだろうなあ。それに、あわびに限らず、海産物には舌の肥えた湘南人には、なんとも微妙な海鮮丼でした。少なくとも、熱い普通の飯の上に、直接、刺し身を乗せるなよ！
昼食後は、その会場のすぐそばにある、かもめテラスと呼ばれるお菓子屋さんに行きました。岩手の代表的な銘菓である“かもめの玉子”の製造元の会社がやっているアンテナショップです。試食しましたが“かもめの玉子”は実に美味しいお菓子です。家で留守番をしている息子くんへの土産として買いました。我々は、そこで卵型の容器に入ったプリンを食べました。プリンも濃厚で美味しかったです。
食事とデザートが終わると、次の目的地の穴通磯へ向かいますが、雨がだんだん激しくなりました。途中のトイレ休憩に立ち寄ったパーキングでは傘が必要なくらいになっていました。
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