NHK-BSで放送された、ウィーン国立歌劇場の、ビゼー作曲の「真珠採り」をようやく見ました(笑)。いやあ、ビデオで録音してあると思うと、どうしても見るのが、後回しになってしまいます。
では、いつものように、スタッフ&キャストを書きます。
指揮:ダニエーレ・ルスティオーニ
演出・美術・衣装:エルザン・モンターク
製作:ウィーン国立歌劇場(2025年5月29日)レイラ:クリスティーナ・ムヒタリヤン
ナディール:フアン・ディエゴ・フローレス
ズルガ:リュドヴィク・テジエ
ヌーラバッド:イーヴォ・スタンチェフ
耳で聞くだけならば、すごぶる大満足の公演でした。いやあ、歌はすごいよ。オケも完璧よ。ほんと、音源としては、かなりの上出来でハイレベルなんです。
でもまあ、演出は、正直、好き嫌いがあるかな?
演出自体が、そんなに尖っているわけではありませんが…いわゆる、読み替え演出です。昔々の、まだロクに文明なんて無かった頃のセイロン島が、本来の舞台です。
それを時代を現代にし、場所は…前半は染色工場、後半はハイブランドな直営店(服飾系)が入るショッピングモールになります。人々の平和と安心を祈る巫女であるレイラは、ハイブランドのアンバサダー(つまりは生きたマネキンだね)になり、真珠採りの頭領であるズルガは、染色工場のオーナーに、バラモン教の高僧であるヌーラバットは、ショッピングモールのオーナーに、そして主人公であるナディールは…ありゃあ何だろ? イケオジだよね…まあ、元々が猟師という、なんかよく分からない立ち位置なキャラなんで、読み替えても、よく分からない存在です(笑)。
読み替え演出って、出来るものと出来ないものがあると、私は考えます。つまり、時代や場所を変更しても、全然物語に影響のないオペラと、物語が時代や場所に大きく影響されているオペラがあって、前者の代表例は「椿姫」でしょうね。あれは、時代や場所の制約を受けない、純粋な悲恋物語だからね。で、この「真珠採り」は…なんか、無理なくない? 私は…ダメだな、これは。
演出家や歌劇場の意図は分かります。若い世代をなんとかして劇場に呼び込みたいのでしょう。そのために、遠い昔の、めっちゃ遠くの外国の話を、今の身近な話に作り変えて、オペラに親近感を持ってもらいたい…との願いは、よく分かります。でも、成功しているのかな? 私はしていないように思いました。むしろ「真珠採り」のような、大人のお伽噺系の話は、純粋なファンタジーにしちゃった方が良かったように思います。時代は不明、場所も特定できません。そんな、よく分からない外国の不思議なお話…って感じにしちゃった方が、むしろ若い人には受けいられるんじゃないかとすら、思いました。
舞台は、本来、セイロンなんだもん。もっと、インドインドしたオリエンタルな、不思議でよく分かんない世界の話の方が、すっと入り込めるような気がします。あんまり、リアルな世界にお話を引き寄せない方がよかったんじゃないかと思いました。
歌唱や演奏が良かった分、なんか演出や衣装が残念だなあと思ったわけです。
まあ好き嫌いあるけれど、私はそう思いましたって話です、知らんけど(笑)。
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